私の競馬予想についての考察<第4回> ~プロの予想家は“神”“運”“調子”を口にしてはいけない~
某プロの予想家の話だが、馬券の収支が良かったころは、ご大層にも『競馬は結果が全てなのだ』と口にしていたくせに、ちょっと成績が下降線をたどると、平気で『神様に嫌われている』『運が悪かった』『最近は調子が悪いので』と口にする奴がいる。
他人に予想を売ってお金をもらっている以上、その3つは禁句である。なぜならその予想家のファンは、その予想家の理論なり方法論なり技術に対して、価値のあるものと認め、対価としてお金を払って予想を買っているのだ。馬券が外れた原因を的確に分析することなく放棄して、『神様が悪いんです』などと意味不明の言い訳をするのは酷い裏切りでしかない。たとえば電気屋さんが洗濯機を売って、1月もせずにぶっ壊れたとして、『神様が悪いんです』なんて言ったら客はどう思うか? 『パソコン』を売って1月もせずに起動しなくなったとして『運が悪かった』と言えば客はどう思うか。詐欺だと叫ぶだろう。
あくまでプロなら、自分が売った理論、方法、技術は正しかった。間違っていなかった。欠点はなかった。が、○○こういう理由で、××こういう原因で馬券は的中しませんでした。と納得のいく説明をしてもらいたい。そこまでアフターフォローをしてこそのプロなのだ。
ちなみに自分は『馬券回顧』を行っているが、たとえ予想が外れても、『上がり最速の脚は使っている。前残りで展開が向かなかった』『馬体が増えすぎていたのは誤算だ』『逃げ馬なのに、なぜか逃げなかった』とか、必ず自分の予想が悪かった・・・以外の原因で馬券が外れたことに『後付け』している。そもそも私はプロではないから、そんなこと厳密にやる理由はないが、こんなブログを読んで下さる読者様へ、私の予想を参考にして下さる方のせめてもの誠意である。
たとえ、自分の予想理論がただの嘘、デタラメに過ぎず、インチキ、ニセモノのたぐいだったとしても、輪を掛けてでも、デタラメでインチキでこじつけの後付回顧をしてもらいたい。予想家と言わず、予想詐欺師だったとしでも、最後までその嘘を貫き通して貰いたい。どうせそんなものを買うのは初心者、素人なのだ。簡単に煙に巻けるはずである。予想が外れるのはかまわない。しかし、最低限、それを買って下さったお客の幻想をブチ壊す真似だけはしてもらいたくないのだ。それがプロの予想家、真の詐欺師というものだ。
競馬を始めて3~4年ほどたった頃、世の中の嘘八百の予想家、予想理論に辟易し、自分で予想理論を開発するExcel競馬も統計上の有意性を見いだせず、アッサリ挫折した私は、新たな予想法を模索していた。
そのころ、『競馬最強の法則』誌に一人の予想家が彗星のごとく登場した。
そして、コジロー式とは比べものにならないくらいの大ブームを巻き起こした。『予想』そのものというのでなく、こと『予想方法(馬券術)』ということに限って言えば、数ある予想法の中で、最も優れた紛れもなく真実で嘘偽りのない完璧な理論であったと断言できる。そしてそれは現代まで続く、予想の一大ムーブメントとさせなっているのだ。紛れもなく、嘘偽りのない、ホンモノの玄人予想家、プロ馬券師だったと断言できる。
その予想家こそ、競馬予想TVの初期の予想家にして“馬券で妻子を養う男”こと、木下 健氏である。
木下氏の予想方法とは、氏の著書を引用させてもらえば、『トリップハンディキャッピング』というものらしい。つまりは、『トラック・バイアス(内枠外枠の有利不利)、ロスや不利、ペースが生むマジックがレース結果に大きく影響する・・・』それらをひっくるめてトラップと呼び、それを自分自身の手で、目で、補正をかけ、次に買える馬を見つけ出すという作業である。具体的にはGCのレースリプレイを録画し、回顧し、記録し、穴を開けそうな馬、確実に上位に来そうな馬を見つけ出すという予想である。
なぜこの予想方法が嘘偽りが無く優れているかと言えば、予想する自分自身が最大の責任を負うシステムだからである。例えこの方法で予想して馬券を外したとしても、それは木下氏の責任ではない。過去レースを見る目の無い、見る目の拙い自分自身の責任だからである。
逆に、木下氏の分析によって出された予想を買い、それが全然当たらなかったとしても、それは木下氏の責任にはなろうが、この場合は、『予想方法』自体を否定することにはならない。ゆえに最強の予想法といってさえ言い。木下氏のことを悪く言う人間も世の中多くいようが、予想法までを否定することは出来ないからだ。
最も、木下氏以外にも、例えば競馬新聞の記者などは元からこういう方法で予想するものだろうし、他にも実践していた人もいたであろう。氏の著作によるとアメリカではメジャーな予想法だとある。ただ、こういう方法が世の中にあるよということを、最初に世に広めた人は木下氏ではないかと思う。『自分のような素人でも、GC(グリーンチャンネル)とビデオデッキ、抜き出した馬を記録するメモ、あとはレースリプレイを回顧し続ける時間と“根気”さえあれば、こういうプロ仕様の予想はできるのだ』と。
これは面白いと思った。さっそく試してみようと思った。もちろん、『木下氏自身の予想を買う』なんて発想は自分には全く無かった。それは自分にとっての“競馬”でなくなるからだ。この予想方法だけを真似てみようと思ったのだ。
さっそくその日のレースをビデオに録画し、目に付いた馬とその理由を、とりあえずExcelに書き連ねる作業を開始した。
その記念すべき第1回目の録画ビデオの中に、モレッタという3歳牝馬がいた。中山ダート1800mの未勝利戦だったが、鞍上北村宏騎手でその5人気に支持された馬は、後方追走から道中マクって先団進出、そのまま直線差しきる勝ち方をした。素人ながら、初心者ながら、この内容が目に焼き付いた。この頃にはこういう勝ち方は稀で、馬の能力が違ってないとできないものだととおぼろげながら理解し出した頃である。おお、これは強いとExcelに書いた。
翌週、そのモレッタが500万戦の芝1400mになんと連闘をかけてきた。鞍上は当時若手の後藤騎手。ダ→芝ということもあって7人気と穴評価だった。しかし、せっかくメモして出てきた最初の馬だったので、単勝、馬連を、モレッタ中心に買ってみることにした。
すると、なんと、モレッタちゃんはその500万戦も勝ってしまったのだ。単勝1,580円、馬連1,810円がこうも易々と簡単にゲットできてしうなんて・・・ なんて簡単なんだ・・・ すごいと思うのと同時に、この予想法はイケると確信した。そしてこの予想法に自分は、木下氏とは全く関係なく、『モレッタちゃん馬券術』と名付けた。
そして、それから以後暫くは、『モレッタちゃん馬券術』に没頭していくことになる。それが地獄の一丁目だったとも知らずに・・・
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