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2010年9月30日 (木)

第14回 この守銭奴!

※この小説はフィクションです

私と同年代の事業主が2人いた。

 

今にして思えば、彼らともっと心を通じ合わせれば良かったと思う。

 

同年代にして、一国一城の主となった彼らからは、得るものも大きかったし、尊敬しうる存在だった

 

一人目は、以前にも語ったが、自動車やバイクの修理工場の社長。先代の時代に雇用され、先代は引退に際し、跡継ぎもいなかったことから、そのまま社長になった人だ。

しかし、腕は確かで、自分の腕を頼りに依頼してくれる人がいるとのことだ。

その社長が悩んでいたのは、いい従業員が根付かないということだ。私ら世代の従業員を雇ったが、非正規雇用が長かったその青年からは、仕事に対する気概が全く感じられない・・・ どうして、同世代にこんな若者がいるのか・・・ と嘆いていた人だ。

 

最初に雇った20代の子の方が、素直で吸収力も早く、頼りになる・・・と・・・ ところが、その20代の子も来月、辞めるとのことだ・・・ 社長自身はアツい方で、私は好きだったが、やっぱり経営者と雇用者となると、難しい問題もあるのだろう・・・

 

もう一人は、建築関係の調査業務という珍しい仕事をされている方だ。私がこの事務所に入ってから、顧問契約をされた新規の方だ。

とはいえ、結局、我が所長自身、新しく若いその社長と上手くコミケーションがとれず、扱い方に困っていたので、折衝は主に私に一任されることが多かった。「将来は君に任せてももいいから・・・」というのが我が所長のキメセリフだった。

事業所も近所にあったので、誰それが辞めた・・・、誰それを雇った・・・ と、ことあるごとに、よく事務所へお邪魔させてもらった。その度に、私は自転車を走らせ、その事業主の元へ通った。

ふと道端で会ったりもした。私も自分と年代が近いのもあって、親近感も沸いた。お髭の逞しい事業主だった。そんな頃、事件は起こった・・・

 

その事務所が、将来を見据えて今の事務所が手狭になってきたので、より大きい、より駅に近い場所へ引っ越すというのだ。

それ自体は「おめでとうございます」という話なのだが、所長がとんでもないことを言い出した。

 

「健保と雇用保険の所在地変更の手続は、別料金だから

 

請求してきて

 

と・・・

 

私は、最初はスポット契約だったこの事務所を、訪問する度に諭して、顧問契約にし、来年度は事務組合へと加入してもらえることを確約してきた。地道に、地道に、地道に・・・

そうやって信頼関係を築いてきたのに、私にとっても寝耳に水な話だ。だって、それは顧問契約の一部なんじゃないですか? と。契約書にもうたってあります・・・と。

 

所長は、何が気にいらないのか、それは顧問契約には含まれない!と。この事務所では昔からそうしていると・・・の一点張りで譲らない。

 

「そんなことをすれば、契約を打ち切られますよ。」
「それなら、それでかまわない。気持ちよくこちらが請求する額を払ってくれないなら、
そんな事業主とはこちらから願い下げだ。」と。

もう、自分自身、どうしていいのか分からなかった・・・ それならそれで、お前が、そう言いに行けよ・・・ と。

 

結局、私が自分で言いに行くことになった。所長の言い分には納得できないが、私もそう命令された以上、従わない訳にはいかない・・・ この経験が、いずれ自分のプラスとなると、自分にいい聞かせた。

当然、

 

その社長は激怒した。

 

当然だろう。その気持ちはよく分かる。顧問契約をしているのに、住所変更をしたからといって、ただそれだけで、それは当然契約書に含まれている内容なのに、4~5万円だかの料金を請求しますと、私は言っているのだ。

これまで信頼関係を築きつつあった私の前で、そのことを告げた私の前で、私に向かって激怒したのだから・・・ そして放り投げるように、変更手続の料金の万札を私の前に投げ出した。それをそそくさと、自分の財布にしまう私・・・

社長が言いたかったのは、

 

「この守銭奴!」

 

だったことは疑いようがない。逆の立場なら、私はそう言った・・・ それを肌で感じつつ、私は忸怩たる思いで私はそれを受け取り領収書を書いた。

私はどうにもこうにも、やりきれない気持ちで、情けない気持ちで、逃げ帰るように事務所へと帰った・・・

待ちかまえていた所長へそのお金を渡す・・・

 

その瞬間、あの老人のニヤっとした顔は一生忘れないだろう。

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2010年9月23日 (木)

第13回 何を貫いて、何を得るというのか・・・

※この小説は完全なるフィクションです。

 

秋も深まったある日、思いがけない事件が発生した。

ある工場系のクライアント先に対して、事務組合系の監査が入るというのだ。

「ああ。よかったわ。あそこは特に問題のあるようなところはないから・・・」

奥さん先生はそう言った。

ところが、どっこい、そんなことは全く無かった

 

私はこの年の4月に入所した。入ったばかりの頃、右も左も分からず、先生から手渡された手書きの給与台帳をExcelに入力するのが主な仕事だった。それを元にして労働保険料を算出し、そのままそれを使って年度更新作業を行った。

改めて、そのクライアント先から賃金台帳を預かって、その年度更新の数値と見比べてみると、恐ろしいことが判明した。先生の年度更新の数値には全く「通勤手当」分が含まれていないのだ。

「通勤手当」は税法上、非課税である。だから、その会社の賃金台帳は所得税を計算しやすいように別に分けて書かれていた。ところが、労働保険料は「通勤手当」を含めなければいけない。それを含めて、一切合切の賃金の総支給額に労働保険料率と雇用保険料率を掛けなければならない。さらに、パート、アルバイトの賃金分がその年度更新の賃金総額から全く抜け落ちていた。

要するに、先生は、クライアント先へ赴き、賃金台帳を見せてもらい、それを給与台帳へと先生が転記したのだが、その作業がいい加減だったため、恐ろしく齟齬が生まれてしまっている・・・ このボケ老人、ボケてんじゃねえぞ・・・

 

これをそのまま提出したのでは、監査で100%問題を指摘され、労働保険料を追徴されることになるだろう・・・ 保険料の過少申告となっているのだ。当然である。

 

私はあくまで言った。主張した。「正しく算出し直して、改めて保険料の算出をし直しましょう。」

 
奥さん先生は激怒した。

 

「それはウチの事務所のコケンに関わるでしょ!」

 

と・・・

 

私は言った。「社労士は法律家です。普通の人以上に法律は遵守しなければなりません。ましてや、クライアントの利益となるためではなく、自らの利益のためなど言語同断です。」と・・・

 
「君はそれでもいいかもしれない。この事務所はどうなりますか?」

 

この件についても、3時間ぐらい議論した。そして先生夫婦と私との溝の深さは決定的となった。

  

結局は、最初に提出してる年度更新の数値に合わせるように、賃金台帳の方を改竄することとなった。結局私が折れた。もうバカバカしくなってきた。私がいくら正論をいったところで覆るはずもないのだ。このまま議論を続けていても、無用に時間を浪費するだけで、結局私が自宅へ帰れなくなってしまうだけだ。私はいくら残業をしたとしても、1円も残業手当を支払って貰えない身なのだ。

 

私は何を貫いて、何を得るというのか・・・

 

賃金台帳を改竄するにあたっても、誰の記録をどう変えればいいのか、全部私が計算した。3人分を1年半に渡って改竄すれば、とりあえずの辻褄が合うといいう計算をExcelで算出した。

そういった複雑なことに対しても、結局、私がやらなければどうにもならないのだ。老人には少々複雑すぎで無理な計算だ。

 

先生がどこかの文房具店で全く同じ賃金台帳を仕入れて来、私が全部手書きで、3人分の賃金台帳を書き直した。気の抜けない作業で、ペンで書いていくため、ちょっと書き損じてはやり直しの非常に辛い作業となった。生意気にも、先生は、「元あった賃金台帳と筆跡が似てない」という理由で書き直しを命じたりもした。

 

「この事務所に来て、今日が一番仕事をしましたよ・・・」

 

私は皮肉混じりにそう言ってやった。以後、ほぼ、ひと月に渡って、「あなたが賃金台帳を改変したことが、この事務所の一番大きな仕事なんてね・・・ ウフフフ」と嫌味を言い返され続けることとなった。

 

恐ろしいことに、決して「あなたに賃金台帳を改変させた」とは言わなかった

。要するに、暗に、「私たちの存ぜぬところで、あなたが自主的に賃金台帳を偽造した」と言いたいのだろう・・・ さすがは、わが尊敬する先生夫婦だ。抜かりがないぜ。いざとなったら、私を切っておしまいなんだろう。

 

この日ほど私は社労士登録を済ませてなかったことを良かったと思わない日はなかった・・・ もしこの件が発覚したとしても、社労士でない私が処分される道理があるまい・・・ あんたたちの責任だろう。

 

結局、監査は問題なくパスした。

 

私の完璧な仕事にそんな問題が起こり得るはずもなかった・・・

私の仕事にも抜かりはない。

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2010年9月 9日 (木)

第12回 建築関係の事業主は面倒を嫌う

※この小説はフィクションです。

 

クライアントの何割かは、建設業界だ。

建設業界の事業主は、荒っぽい人が多い。荒っぽいというより、適当というか、どんぶり勘定っていうか・・・ とにかく、細かいことを気にしない。気にしたくない

 

一番可哀相だったのは、妊娠した・・・というだけであっという間に解雇にまで追い込まれた女性の件だ。

 

発端はこうだった。

 
「女性事務員が一人辞めます。手続お願いします。」
「離職の理由はなんでしょうか?」
「自己都合です。」

 

いざ、離職票を作成し、彼女の元へ届いた時に、その当の本人である彼女から、直接、事務所へ電話がかかってきた。

 

「話が違う!」

 

と・・・

 

余談だが、私はハローワークから戻ってきた離職票を離職者に送る際は、かならず「離職された方へ」という小冊子の手引きを同梱していた。そんなものでも、あると、ないとでは、離職者が知ることの出来る情報、しいては、これから受ける利益に格段の違いが生まれるからだ。

ところが、私が雇用される以前は、そんなものを同梱してはいなかった。わずかに、その小冊子の表紙をコピーして添付していた。なぜなら、そんなものを同梱しては、郵便料金が余計にかかるからだ。この圧倒的セコさ!

私はこればかりは・・・と説得し、ヤマトのメール便を利用すれば、小冊子を同梱しても80円で済みますから・・・ と、同梱することを懇願し認めてもらった。近くにヤマトのメール便を扱っているコンビニが無かったから、毎日就業後に、コンビニまで遠回りしてから帰宅した。

 

それでも、新しく被保険者になった方に対して「被保険者となられた方へ」のパンフレットを添付することは、結局認めては貰えなかった。労働者に余計な知恵をつけるのは、事業主のためにはならない・・・という実に洗練された理由からだった・・・

女性は言った。

 

「私は解雇されたのだ。だから会社を辞めることに同意したのだ。」

??? 

よくよく話を聞いてみると、その女性は自己都合は、失業給付を受けるのに給付制限がかかること給付日数が短縮されることを知っていた。「解雇する」という理由で失業給付が受けられるから、会社を辞めることに同意した・・・と言っているのだ。

 

その事業主にTELする。アッサリ
「ああ。解雇にしてください。」と。

 

「は、話が違う・・・」とは私の台詞だ。すぐさま、離職票を回収して、書き直すハメになった・・・

 

しかし、ちょっと待てよ・・・ 労働基準法19条「産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない・・・」と謳ってる・・・、

あああ、か、解雇できないじゃん!

 

解雇予告日を変えるしかない・・・

 

もう、離職票は書き直し、書き直し、でグッチャグッチャになってしまった。いったん、ハローワークのスタンプが押されている以上、簡単に破棄して新しい用紙に書き直す・・・というようなこともできないのだ。

 

それよりなにより、本当にこの女性を解雇させるのは正しかったことなのだろうか・・・ 妊娠、出産、育児休業期間中はそもそも、会社は賃金を支払う必要はない。女性はそれなりの育児休業基本給付金等を受けられる。もし、子供を託児所などに預けられることができれば、職場復帰給付金も受けられる(H22年4月で廃止)。

そして職場復帰を実現させたら、育児休業取得促進等助成金(100万円)が受け取れ、事業主にとっても悪くない話なんじゃ・・・

母は、子を持つ親は、子を産む女性は、国をあげて守っていこうというのが、この国の方針である。

 

建築関係の事業主は、面倒臭いことが嫌いなのだ。それはうちの先生についても言える。

 

また、建築関係の職場は遠く離れた中国、東南アジア、中東系の人々を多く受け入れている。私もたいがい低賃金だが、それに輪を掛けて安い給料で・・・

 

しかし、中には妻子を日本へ呼び寄せる甲斐性のある方もいらっしゃる。

 

「○○の奥さん、病院にかかりたいので、扶養手続をしてください。」
「え? いつから来日されていたんですか?」
「う~~~ん、1年半年くらい前かな?」

「では、加入日は何時にしますか?」

 

これは結構、大きな問題である。妻に対して扶養手続をするということは、国民年金の第3号被保険者にするということである。将来的には分からないが、その外国人の妻の方も、将来日本で年金を受けることがあるかもしれない・・・ そうなると、少しでも長く加入期間とするためには、加入日はできるだけ遡った方がいい。将来的には、この国の年金を受け取ることになるかもしれない人たちなのだから。3号の遡及適用は国民年金法的にも2年は、やむを得ない理由がある場合は、それ以上も、認められている。

国民年金が外国人も含めて全て加入させるという法律である以上、差別は許されない。

 

それよりなにより、なんで来日したときから、扶養に入れていないのか・・・

「もし遡って加入させるなら、その間の所得の証明や・・・」
「今日でいいです。」

 

その一言でこの問題は終了です。どんぶりが基本の業界だからだろうか・・・

 

あと、辞めて本国に帰国した方に対し、

「退職の手続をして下さい」
「え、あ、あの、○○さんの離職票は・・・」
「そんなもの必要ありませんよ。もう日本にいませんから・・・」
「あ、あと、厚生年金保険に加入されていましたよね。脱退一時金について御存知でしょうかね・・・」

もし、将来日本に来る気がないなら、将来日本で年金を受け取る気がないのなら、厚生年金脱退一時金を受け取れるチャンスがある。在日外国人にそんなものくれてやるな・・・という意見があるかもしれない。しかし、これは、その方が自分で支払った保険料の掛け捨てを防ぐ・・・という意味があるのだ。2~3年も日本で働き、その間2~30万円の給料を手にし、日本の法律に基づいて、ほとんど意味のない厚生年金保険を払い続けてきたのなら、2~30万円の脱退一時金を手にする権利があると私は思う。

その国の物価は知らないが、それだけのお金でも、本人にとっては嬉しい退職金となるだろう。

「ハッハッハ。センセ、○○は、もう日本にいませんから・・・」

 

ちなみに、厚生年金の脱退一時金は、日本語だけでなく、英語、中国語、ポルトガル語等、多様な原語で申請できる。その気になれば、本国から日本政府(年金機構)に対して請求が可能なのだ。本国で、そういう知恵を付けてくれる賢者がいてくれることを願うばかりである。

 

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2010年9月 6日 (月)

第11回 君は日本語が使えない!

※この小説はフィクションです。

 

よく

 

「君は日本語が使えない」

 

と叱られた。

 

無茶苦茶な理由でよく叱られるが、「申し訳ございません。すみません。」と謝る以外に手がない・・・

 

クライアントからの労務相談などで、事例を探すのにネットで検索したら、ネットは使うなと怒られる。漢字をド忘れして、ネットで調べたら怒られる・・・

本当、この手の傍若無人な怒られ方には、イライラした

 

曰く「ネットは嘘か本当か分からない。」と・・・

 

例えば、「使用期間中、従業員を即時解雇することができるのか?」というクライアントからの質問があった。

 

発端はそのクライアントが「実習型雇用」について知ったことから始まる。「新しく雇った○○君について、この実習型雇用が利用できないのか?と・・・

実習型雇用とは、要するに最初に6ヶ月間の有期雇用を結び、その間は10万円×6か月の給付。その後、正規雇用へ転換すると半年ごとにで50万円×2回、ハローワークから奨励金が受けられるという制度である。詳しくはリンク先から辿ってみてほしい。先生は答えた。

「もう今からじゃ、実習型雇用は適用できませんよ・・・
 ですが一つ方法があります。その人をクビにして、新しい人を雇えばいいんですよ・・・」

とんでもない話である。

 

私は、「使用期間中でも従業員を解雇法理に法らないで解雇することは無効だ」と主張したが、先生は有効だと言って譲らない。その根拠が「使用期間中の解雇しても解雇予告が不要だから」というものである。

で、同様の質問に対する、弁護士の回答をネットで引っ張っててプリントアウトしたら、「ネットは信用するな」と・・・ 「本に書かれたことのみ、信用せよ。」と・・・ 埒があかないので、


 

この本を安い給料の中から、中古で安く仕入れ、該当する箇所を示した。この本の中には昭和50年代の判例が示されていた・・・曰く「そんな何十年前の、古い判例は信用できない。」と・・・

 

要するに、自分が気に入らない情報は何が何でも信用したくないのだ。そして自分の気に入る情報は何が何でもOKとなる。

 

また、別のクライアントの就業規則を作っていたとき、こういうことがあった。
「最近の就業規則は、セクハラだけじゃなく、パワハラについても禁止の一文を入れる例がありますよ。」

「パワハラなんて現実に起こりうる訳がないじゃないか!」

意味不明の激怒!

これについても、3時間ぐらい議論を重ねて、結局就業規則に入れないことになった。自分が認めたくないことは、徹底して認めたくない

 

そのくせ、「就職内定者に出す内定の文章ってどうすればいいですか?」という質問に対し、先生はなんと「yahoo知恵袋」の回答をそのままプリントアウトし、そのままFAXしたりしていた。この通りにして下さいだと。

 

ハァァァァアァア? 

訳が分からん! 

 

だいたい、yahoo知恵袋は俺もいくつか(内緒で)回答乗せてんだぞ

 

せめて、自分の言葉に変えて伝える工夫でもしろよ・・・と心の中で思ったが、要するに、自分がそれで正しいと思う限りにおいて、ネットでも何でもそれは正しいことなのだろう・・・

 

頭湯だってくる・・・ 

 

よく、「君は電話ができないね。FAXの日本語がおかしいよ。日本語がしゃべれない。」と叱られた。

クライアント先へ送るFAXなどは、あたりまえのように、ビジネスレターとして、敬語を入れて作るのだが、社労士先生である自分から、クライアント先へ出すレターに敬語を使うのはおかしい・・・という理由で先生の添削が入る。

当然、そういう書類は、私はWordで作りたいのだが、手書きでないと修正ができない、上達しない・・・という理由で禁止となる。

先生の気に入るような文章を書こう、書こうと努力するが、支離滅裂なので、どうしてもこればかりはできなかった。

 

もう、「いつから保険料をいくら控除すればいいの?」とか「新入社員を雇ったのだが、必要な書類を教えてください」等の簡単な質問は、先生を介さず直接クライアントとやりとりをすることも多かったもちろん、全く問題は起こらなかった。

 

そりゃ、最初の頃はクライアントと電話で会話するのも、ぎこちない面はあったかもしれないが、すぐに慣れて1時間以上在職老齢年金の仕組みや金額を事細かく丁寧に説明し、ご理解いただくというようなこともあった。

先生がご自身で作られたFAXは、よく、「意味が分からない・・・」ってクライアントから電話かかってきたりもした。その度に私が先生に知られることなく、フォローの電話を入れた。

 
「ありがとうございました。ようやく意味が分かりました。」
「いえいえ、どういたしまして・・・」

 

要するに、ある程度、お年をめした方からすれば、自分が絶対的に正しいと肯定する以上、私や世の中は絶対的に間違っていると、思い込んでしまうものなのだろう。

 

そんなの、芸事の世界や、料理人の世界や、世の中やドラマなんかで、よくあるよね。

 

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