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2010年7月24日 (土)

第4回 法律通りにしかできないのだら、お前らを雇ってる意味があるのか

※この物語はフィクションです。

某クライアントがら電話が掛かってきた。かなり怒っているようだ (思 いがけずクライアント先へ行く

『もしもし、■■ですけど・・・ 先生は?』
『あ。はい。只今外出しておりまして・・・』
『旅行か? しょうがねえなあ・・・ 昨日来るようにって言ってあったのに・・・』

この件も、あの時は、ソフトに書いたが、実際はかなり激怒していた。このクライアントさんとは、この後、一悶着もふた悶着もあることになる・・・

 

この時の案件は、実は、傷病手当金の申請だったのだが、私より2歳か3歳年下の、妻とお子さんのおられる方で、脳溢血か脳内出血か、かなりダメージを負う傷病であった。結局、下半身麻痺だか、片半身麻痺だかで、かなり重い傷病である。お風呂でぶっ倒れたそうだ・・・

しかも、このクライアントはDTP業であった。DTPは私の前職である。

もう、状況が目に見えるようである・・・ 身につまされる・・・

30代の働き盛りの若者が罹る傷病ではない。想像でしかないが、おそらく相当数の時間外労働を強いられてきたのではないだろうか・・・ かくいう私がそうであったからだ・・・

DTPとは、デスクトップパブリッシングの頭文字を取った言葉で、要するにパソコンで行う印刷業である。長時間労働とサービス残業を当たり前のように強いる業界だ。毎朝9時に出勤して、夜の8時に仕事が終われば、ああ、珍しく今日は家に早く帰れたな・・・ という世界。通常は10時頃まで仕事をやっている。それが普通。週2,3回は当たり前のように夜の0時を回る。で、最悪は徹夜になって、何事も無かったかのように二日目の9時からまた仕事を始める世界である。

 

この方は、結局、最終的には自己都合で退社されることになった。

いくら会社に忠誠を尽くしても、そこには残れないのだ。治療が一通り終わって、不自由となった身で出社して、結局、周りと軋轢を生んだ以前と同じ仕事ができないのに、以前と同じ給料を得ることに対して周りが妬っかんだ。

国年、厚年の障害等級も確か2級か1級に認定されているらしい。年金が受けられるのだろう。そして、再び治療を行うならという名目で傷病手当金を申請するなら1年近くは給付が受けられること、あるいは、失業手当を申請するなら就職困難者としてさらに1年近くは給付を受けられることになるだろう・・・ そう話し合って自己都合での退職を受け入れられた・・・ あくまで、会社は解雇しなかった。

 

私も、八方調べたが、こういう場合、障害者を雇用し続ける事に対して、申請できる助成金や奨励金は、皆無なのだ。例えば、この人のために職場にスロープを設けたり、新たに駐車場を設けたり・・・とするなら申請できる助成金はあるのだが、単に障害者を雇い続けるから・・・というだけで賃金の何割かを補助するような助成金なんて皆無なのだ。

 

全然関係ないけど、ユ○クロでおなじみのFという会社は、日本一障害者の雇用率が高い。なんでも、創業者のキモ入りで、一店舗に必ず、一人の障害者を雇用することにしたそうだ。一見、素晴らしいことであると思う。ただし、たとえば車椅子などの生活を強いられている身体障害者は一人も雇わないという方針らしい。そういえば、車椅子でレジ打ってたり、散らかった商品をたたみ直してる店員って見たこと無いね。なぜなら、仕事の戦力にならないからだそうだ。私が言うのもなんだけど、なんだかなーという話だ。

 

そんな大手企業に限った話ではないが、世の中の多くの中小企業は、障害者雇用納付金をいくらか支払ってでも、障害者は雇いたくないというのが世の中の現実である。顧問先のある中堅の○○会社は、指が2,3本無いだとか、人工肛門だとか、内臓系だとか、そんな普通に仕事ができてコミュニケーションがとれる障害者は欲しいと言ってたが・・・

 

もし、事業主ができた人なら、“労災”扱いにできたのかもしれない・・・ “労災”の補償は傷病とは比べものにならないほど篤いからだ。

たとえば、『カバチタレ』みたいな漫画なら、そんな話があったかもしれない・・・ 

 

それどころが、この方が休業している期間、働いているのと同じだけの健康保険、厚生年金の保険料が発生することに、事業主は我慢がならないようだった。

私が、法律上そういうことはできない。もし、保険料を下げる・・・つまり、標準報酬月額を下げるようなことを可能にしてしまったら、結局、この方に給付される傷病手当金の額も下がってしまうことになる・・・

『それではあんまりでしょ?』

と行ってみたら、

『なんのために、高い顧問料を支払ってるのだ! 法律通りにしかできないのだら、お前らを雇ってる意味があるのか!』

 

劇昴されてしまった。で、電話をガチャンと切られてしまった。

 

私も、ほんと頭に来たが、事業主様は神様。もうどうすることもできない・・・ DTP業界が現在、大変苦しい状況なのは分かってるつもりだ。何とか、事業主の力になりたかったが、それは果たせなかった。

 

結局、事業主を怒らせた・・・ という事実だけが残った。そして、それが私に対する評価だった。

もちろん、バカンス帰りで真っ黒に日焼けした所長もカンカンに怒り、・・・使えない奴というレッテルが貼られた。

 

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