年更が終わったら算定
社労士の世界では、今がもっとも忙しい時期であろう。
社労士の仕事の中で最も大きい、一大イベントである年度更新・・・通称『年更』と、定時算定・・・通称『算定』が今年から微妙に重なって、この時期集中しているのだ。
年更とは、クライアントである企業に、労働保険(労災保険と雇用保険)の昨年度1年間分を確定させ、今年度の概算分を出して都道府県労働局に申告し、なおかつ、(社労士的には)支払っていただけるよう、各企業へと請求書を送ることである。社労士受験の世界では、『労働保険徴収法』で解説されているところだ。ややこしくて、受験生が苦手にしている分野でもある。
実際やってみると、ややこしいことこの上ない。
去年1年間に支払った各企業の賃金を提出してもらい、Excelで集計する。時には手書きの賃金台帳のFAXであったり、時にはこちらからクライアント先へ赴いて行って、賃金台帳を見せてもらいながら、必死に写し取る。各企業がそれぞれ、Excelでまとめて、それをデータとして提出してくれれば早いのに・・・ そんな未来図はまだ先のようだ・・・
そして、一字一句間違えないように緊張して集中して入力して、賃金総額を出して、労災保険料率と雇用保険料率を掛けて確定保険料を出す。おっと、年度の初日に64歳以上の高年齢労働者の雇用保険料を引くのを忘れずにね・・・ おなじ数字を使って概算保険料も出す。不景気を反映してか、雇保だけでなく労災も保険料率は軒並み低下している。いや、低下させたのだ。今年度の被保険者の雇用保険料率はいくつか、社労士受験生の君なら、もう覚えているよね。そう、1000分の4だ。
で、確定保険料-去年の支払住概算保険料+今年度の概算保険料が、今年納付しなければならない保険料の総額となる。事務組合に所属してるクライアントなら、問答無用で分納が可能だ。
事務組合とは、それ自体を一つの事業とみなして、それぞれのクライアントを事業場とみなしているのだ。つまり、事務組合を一つの事業とみなした場合の保険料は当然、かなり高額となるので、保険料の分納が可能にしよう・・・という理屈だ。むかし、労働保険の保険料の徴収が覚束(オボツカ)なかった時代の名残のシステムだ。政府は、事務組合に保険料を徴収させる責を負わせ、そのかわりにいろいろ特典を与えた・・・と先生に伺った。
事務組合に所属していないクライアントは、保険料の総額が40万円を越えないと分納ができない。とは言え、最近の不景気を反映して、去年の概算納付分が軽く確定保険料を上回ってしまい、保険料がガクッと下がってしまうところも多い。下手すると一期目の保険料は、アスベストの拠出金だけというようなところもあるのだ。拠出金の保険料率は受験生の君なら、当然知っているよね。そう、1000分の0.05だ。
で、電子申請する。政府が推奨している、申告納付をインターネットでやってしまうシステムだ。社労士的には便利で楽でいいが、普通の企業がこれが簡単にできると知ってしまうと、我々や税理士の仕事がなくなってしまう
もちろん、電子申請ならパソコンが自動的に計算してくれるハズではあるが、勉強になるから・・・という理由で、私的にはいったん紙と電卓を使って手計算させられている。
ところが、そこまで頑張って電子申請しても、後日、労働局から電話がかかってきた。『充当分と不足分を間違えて入力してますよ』と・・・
ハズカシイ。『すいません。すいません。』と平謝り。
『こちらで直しておきますからね。正しい請求書をそちらに送付いたしますか?』
むこうでもちゃんと計算してくれるなら、簡単に誤りに気づくくらいなら、なんで、わざわざこちらに計算させるのか・・・ 不思議なところだ。税金もそうだが、それが申告納付制度の不思議なところ・・・だろう。
ともあれ、そんな大変な年更が終わったら、すぐに算定、来年度の社会保険(健康保険、厚生年金)の保険料算出の元となる標準報酬月額を算出する作業となる。またも、クライアント先に赴いていって、今年4~6月の報酬を聞いてこなければならなくい。時には手書きの賃金台帳のFAXであったり、時にはこちらから企業先へ赴いて行って、賃金台帳を見せてもらいながら、必死に写し取る作業となる。
この、年更と算定の時期が全く同じだったら、便利じゃね? と社労士界の上層部のエライ人が考えて、2つの時期をくっつけよう・・・と言い出して、それが実行に移されたのが今年はじめてになる。というわけで、この2つの時期が完全にくっついたわけでなく、今は微妙に近づいている・・・という過渡期であるため、便利でもなんでもなく、忙しい時期が微妙に重なっている・・・ということになっている。
と言うわけで最近お疲れ気味だ・・・ 神経をすり減らしながら、切磋琢磨する毎日である。ブログの更新も滞りがちというもの・・・
わずか1円でも間違うわけにはいかないからね・・・
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