28日目 標準原価計算 『シュラッター図』は、恐ろしいほど万能
日商簿記2級試験まであと2ヶ月しかなかったら・・・
中央経済社の簿記ワークブック2級(商業簿記・工業簿記)(各700円)の章立て順に沿った解説です。ポイントとなりそうな点を自分なりに書き出しています。
本日は、
第20回 標準原価計算(1)
標準原価計算の方法と記帳
第21回 標準原価計算(2)
標準原価計算の原因分析
の続きです。
製造間接費差異の解法を考えます。
ここはしょうがない・・・“シュラッター図”を覚えてください。シュラッター図とは、正確にはシュラッターシュラッター図といいます。メガホン図、ヒラメ図、魚のひらき図といわれることもあります。シュラッター図に関しては、自分の発明でないので、説明は省きます。教科書等を参考しにするか、適当なサイトでも検索してみててください・・・
しかし、私が発見したのは、『シュラッター図は恐ろしいほど万能である』ということです。製造間接費をシュラッター図を使って予想問題なんかを解いている人で、『数値は導けても、有利差異なのか不利差異なのかがいまいちよく分からない?』『シュラッターの変形みたいな図が出てくるときがたまにあって、どうい状況で使えばいいのかいまいち、よく分からない・・・・?』こういう疑問が沸いた人もいるでしょう。この問題は、このブログの以下を読めば、全て解決します。
では、次の問題を解いてみましょう。

シュラッター図で解きます。下の三角は固定予算を、上の三角は変動予算を表しています。これは、私の『グラフを使って解く材料費差異&労務費差異の解法』の直線上にある解法の一種なのです。考え方は共通している部分が多いです。
まずは、分かってる数値を書き込んでください。
数値を書き込んだら、計算によって分かる部分も書き込みます。まず『固定費率』が分かり、ゆえに『変動費率』も分かります。これによって、
予算差異、能率差異(変動費)、能率差異(固定費)、操業度差異をグラフから解くことができます。式の立て方は、昨日の材料費差異、労務費差異を解くやり方と全く同じです。
さらに、シュラッター図のグラフは、製造間接費の差異を分析する公式
製造間接費差異の分析(4分法)
予算差異=実際発生額-実際作業時間における変動予算許容額
変動能率差異=(実際作業時間-標準作業時間)×変動賃率
固定能率差異=(実際作業時間-標準作業時間)×固定費配賦率
操業度差異=(基準操業度-実際作業時間)×固定配賦率
を根拠にしてグラフ化しただけのものです。それを言うなら、私のグラフを使って材料費差異、労務費差異を解く方法も、公式を根拠にグラフ化しただけのものだけなんですけどね・・・
では、応用問題
実際の作業時間が標準よりも少なくて済んでしまった・・・『お得だ』というパターン。シュラッターに当てはめると、
こうなります。『グラフにマイナスの数値が出ても慌てない』、『マイナスの数値が出るときは、貸方差異だ』というのは、昨日、一昨日勉強しました。われわれ大人数学を理解したものの勝利です。
ところで、みなさん、過去17回の試験の中で、標準原価計算の問題はだいたい3回置きに1回、計5~6問あったのですが、このグラフにマイナスの数値が出る製造間接費差異を求めさせる問題(つまりは解が貸方差異になる問題)って、何問出てきたか、知ってますか? 『実際の作業時間が標準よりも少なくて済んでしまった』というケースは実社会の現場では、普通に考えられることでしょう・・・ 何問出題されたか知ってますか?
そう、ただの1問も出されていません。
なぜか・・・。その理由は『グラフにマイナスの数値が出る』のは、簿記2級の数学レベルを超えているから・・・としか考えられません。極めつけは第110回の問5、なんと、この話題に触れんがため、解答用紙に『製造間接費差異の能率差異と操業度差異(両方貸方差異)』が最初から書き込まれているのです。こんなバカな話があるでしょうか・・・ これでは、製造間接費差異を求める問題というより、ただの足し算引き算の問題になってしまっています。
なんすかね、このゆとられっぷり・・・
われわれ、大人数学をマスターした層は、たとえ、グラフにマイナスの数値が出ても慌てません。それが『貸方差異』なんだと理解することができます。実際の試験では今後とも出てこないのかもしれません。各社が出している模擬試験問題集や予想問題集では、ゆとってないので、解が貸方差異になる問題も含まれます。落ち着いて考えてクリアしてください。
この、大人数学の概念は、新たな境地を開くことになります・・・ では、次の問題
『固定予算を前提にしている』というのは、予算の変動費の部分がないということです。慌てず、シュラッター図に数値を入れていってください。

われわれ大人数学マスター組は、余裕でグラフに『変動費0円』と書き込みます。ところが、世の中の簿記2級のテキスト、教科書のたぐいはこういう解法を許容しません。苦し紛れなのか、シュラッターの変形図みたいなモドキ図をいきなり出してきて、説明しようとしています。これが我々大人を混乱させる元になっていたのです。
こんな図が解答の解説にいきなり出てきたとして、『なるほど!』と納得できるでしょうか?どう考えても無理でしょう。『この図は何を根拠にして生み出されてきたのか』『いつ学習したのか?』『他にもこういうシュラッターの変形パターンはあるのか?』『こういう変形パターンは、いくつあるのか?』さまざま疑問が沸いてくるのではないでしょうか。
なぜ、こういう変形図をいきなり出してきて、それが解だとするのでしょうか・・・?その答えは一つ、『グラフに0円と書き込む』は、簿記2級学習者の数学レベルを超えているから・・・です。
私は、そう推理します。『製造間接費差異は、シュラッター図の基本を一つ覚えるだけで全て解ける。ただし、グラフにマイナスと0を書き込むのを許容せよ』という解法とどちらが合理的で、シンプルで、理解し易しいですか?
次の問題
標準原価計算の問題でなく、製造間接費差異を求める問題。一般的なテキストだと、こういうモドキ図で説明しています。
で、次がシュラッター図そのまま当てはめる解法
『グラフに0の長さを許容する・・・』それだけです。
次の問題
モドキ図でとくと、
『こっちの方がスッキリしていいじゃないか!』と思われる人もいるかもしれません。問題は、試験問題からこの図が連想できるか? なんですね・・・ 連想できるほど勉強が進んでしまってれば問題はありません。そこまで勉強してなければ、0とマイナスを許容した上で、基本のシュラッター図に当てはめて解きましょうって話です。
最後に、簿記ワークブック第10回 製造間接費計算(2)の問7、以前分からなくても気にしないでくださいと書いていた回。をシュラッター図で解くとこうなります。参考までに
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